お金を借りる

公認会計士を目指す人がお金を借りる方法や必要な金額を紹介

公認会計士になるためにお金を借りる方法や必要な金額

公認会計士になるためにお金を借りて勉強する人は多くいます。

医師、弁護士に並んで「三大国家資格」と呼ばれているのが会計や監査を専門とする公認会計士です。

公認会計士の資格を取るためには非常に高度な知識が必要なので、予備校に通って勉強すると考えたら金銭的負担はかなり大きいでしょう。

公認会計士になりたくても、金銭的に余裕がなくて諦めてしまった人や、金銭面がネックになり困っている人も多いです。

この記事では、公認会計士になるために必要な資金や、お金の借り方をまとめました。

公認会計士になりたくても金銭的な問題を抱えている人は、ぜひ参考にしてください。

公認会計士を目指す人が使えるお金を借りる方法

公認会計士を目指すにあたって必要なお金が分かったところで、次はお金を借りる方法についてご紹介します。

公認会計士を目指している人だけでなく、資格を取るために学費を借り入れて勉強している人は多いです。

未来への投資と考えればお金を借りる行為も重要な選択肢の1つ。

公認会計士になるために利用できる借入方法をまとめました。

ダブルスクールで大学・専門学校に通う人はまず奨学金の利用を検討しよう

学校に通うお金が足りない時は、まずはじめに奨学金の利用を検討しましょう。

奨学金はお金がない学生でも進学して勉強できるよう、学費や生活費を給付または貸与してくれる制度です。

日本学生支援機構では、奨学金の申込資格を以下のように定めています。

大学・短期大学・専修学校(専門課程)への進学を希望し、以下のいずれかに該当する方

(1)令和4年3月末に高等学校または専修学校(高等課程)を卒業する予定の人
(2)高等学校または専修学校(高等課程)を卒業後2年以内の人
(3)高等学校卒業程度認定試験に合格した人、科目合格者で機構の定める基準に該当する人、または出願者

引用:進学前(予約採用)の第一種奨学金の申込資格|日本学生支援機構

ダブルスクールで大学に通う人、専門学校に通う人は奨学金を利用できます。

一般のカードローンと違って金利は1%前後と返済しやすく、審査に通れば400万円以上のお金を借りられます。

注意しなければならないのは、予備校のみに通う予定の人。

予備校は学校教育法が定める「学校」に当てはまらないため、奨学金を利用できません。

予備校のみで勉強する予定の人は、奨学金以外の借入方法でお金を借りてください。

CPAの公認会計士講座なら独自の奨学金がある

日本学生支援機構の奨学金は利用できなくても、予備校独自で奨学金制度を用意している場合も。

先程も紹介した公認会計士の勉強ができる予備校「CPA」では、公認会計士講座を受講する人が利用できる奨学金を用意しています。

CPA奨学金制度概要

応募資格 ・18歳以上
・学費の支払いが困難と認められる人
・公認会計士試験を受験する人
支給額 初学者:初学者コース受講料全額
受験経験者:受験経験者コース受講料全額
支給人数 各100人
貸与方法 入学時に受講料と同額を無利子で貸与
返済方法 ・公認会計士試験に合格した翌年の4月
・奨学金支給後満3年経過後
上記いずれかの早い期限を返済開始日とし、毎月5,000円~30,000円の分割返済。

CPAの奨学金制度では、受講料を全額貸与してくれるので、今すぐお金がなくても勉強を始められます。

奨学金の支給を受けるためには2,000字以上の小論文課題を提出しなければなりませんが、課題はそこまで難しくありません。

予備校で奨学金を受けたい人は、CPAのように奨学金制度が備わった予備校を選ぶといいでしょう。

教育ローンなら会計士になるための予備校費用を借りられる

奨学金以外で学費を工面するなら、教育ローンもおすすめです。

教育ローンは基本、保護者に契約してもらうローンです。

高校生で、奨学金だけでは費用が不足してしまう場合に利用を検討しましょう。

金利も低めで、一般カードローンを利用するより負担なく借り入れできるメリットもあります。

予備校の費用のみを借り入れたい場合、お金の使用用途に予備校や塾の費用が含まれている教育ローンを選びましょう。

予備校の費用にもお金を使える教育ローンは、以下のように使用用途を明記しています。

お子さまの幼稚園、小・中・高等学校、大学、大学院、各種学校および学習塾費などで必要とされる入学金、授業料、施設費などの教育機関への納付金。なお、支払済費用の場合は申込時から起算し、3か月以内の領収書で確認できるもの

引用:横浜銀行

社会人が自分名義で教育ローンを契約したい時は、ある程度の収入が必要です。

仕事を続けながらしか借り入れできないので、仕事をやめて勉強に集中する予定の人は注意してください。

大学の中には公認会計士になるための手厚い支援を用意している場合もある

公認会計士の資格を取るためには、専門的な知識を深く勉強できる予備校に通うべきだと紹介してきました。

しかし数ある大学の中には、公認会計士になるための手厚い支援を用意している場合があります。

各大学が用意している支援をいくつかご紹介します。

大学内で公認会計士試験用の講座を用意している

本来なら予備校にお金を払って勉強する公認会計士向けの講座を、学内で行ってくれる大学があります。

例えば中央大学では、現役公認会計士を担任講師として招いて「公認会計士講座」を展開。

中央大学の学生であればどの学部でも参加でき、学校のスケジュールと調整しながら質の高い勉強に取り組めます。

学費とは別に受講費用も必要ですが、予備校よりも安く済むのが大きなメリットです。

予備校の費用 中央大学の講座費用
約50~80万円前後 約45万円

講座はキャンパス内で行われるので、移動時間も無駄なく勉強に当てられます。

公認会計士を目指しつつ大学卒業資格が欲しい人は、中央大学のような学内講座を探してみましょう。

学内講座の奨励金制度がある

関西大学では、学内で開催している「簿記コンテスト」で優秀な成績を修めた学生に奨励金を用意しています。

日商簿記検定対策の一環として勉強できるだけでなく、努力次第でお金がもらえるのでとてもありがたい制度です。

日商簿記検定1級相当の試験問題で上位5位までにランクインすれば、以下の奨励金がもらえます。

ランキング もらえる奨励金
第1位 10万円
第2位 8万円
第3位 5万円
第4位 3万円
第5位 1万円

参考:関西大学

上記に合わせて、予備校の受講料割引も合わせてプレゼントされるため、金銭的な負担を減らせます。

大学の様々な制度は、努力次第で金銭的な負担を減らせるので積極的に利用しましょう。

在学中に合格すると報奨金がもらえる

大学在学中に公認会計士試験で合格すると、大学から報奨金がもらえる場合もあります。

報奨金の金額は大学によって様々ですが、50万円以上の報奨金が用意されている大学も。

資格取得までは金銭的に厳しくても、学生のうちに合格すれば借りたお金をすぐに返済できるので大きなメリットです。

ダブルスクールで公認会計士を目指すなら、報奨金がある大学を選びましょう。

公認会計士になるために借りたお金は返済しきれる?

公認会計士を目指すにあたってお金を借りる場合、借入額が数百万円に膨れ上がる人もいます。

一括返済する必要はないですが、教育ローンや奨学金の返済は長期になりがち。

勉強のためとはいえ借りたお金を本当に返しきれるか不安な人も多いです。

結論から述べると、公認会計士にさえなれば学生時代の借り入れを返済するのは難しくありません。

公認会計士は一般サラリーマンより給料が高く、年収1,000万円を目指せる職業です。

初任給でも30~35万円ほどもらえるので、初年度の年収は低く見積もっても300万円を超えます。

勤続すればその分昇給も見込めるため、他の職業に就くより安定して返済できるでしょう。

最初はためらうかもしれませんが、本気で公認会計士を目指すなら、奨学金や教育ローンは問題ない初期投資と言えます。

また、社会に出たあと住宅ローンやマイカーローンを組むとき、奨学金が残っているとローンの審査で不利になる可能性があります。

しかし、公認会計士は医師や弁護士と並んで「長期的に仕事に困らない」と判断される国家資格。

他の職業よりローンの審査で有利になるので、奨学金が残っていても審査に通りやすい傾向です。

公認会計士は資格取得までにお金や時間がかかって大変ですが、試験に合格すれば解決できる問題が多いでしょう。

公認会計士になるための方法と必要な金額を詳しく紹介

まずは、公認会計士になるためにはどのような方法があるか、必要な費用はどれくらいかを詳しく確認していきましょう。

公認会計士の試験を受けるために必要な受験資格はありません。

学歴・年齢不問で事前に取得しておかなければならない資格もないので、誰でも受験できます。

極論、高校卒業後に全くお金をかけず独学で勉強しても受験できますが、独学での合格は難しいです。

公認会計士になるためには5,000時間以上の勉強時間が必要と言われており、独学で理解するのは難しいため予備校や専門学校への入学が推奨されています。

難関大学に通っている人たちが何年も費やして勉強したとして、合格する人は一握り。

公認会計士に合格した人の多くは、「予備校や大学に通って勉強した方がいい」とアドバイスしています。

公認会計士になるための勉強は、大きく分けて3つの方法で行なえます。

公認会計士になるための勉強方法

  • 大学と予備校のダブルスクール
  • 予備校または専門学校のみに入って勉強する
  • 働きながら予備校に通う

それぞれの方法でメリットやデメリットがあり、試験を受けるまでにかかる費用も大きく変わります。

ダブルスクールで公認会計士の勉強をするメリットとデメリットまとめ

公認会計士の勉強をするのに最もおすすめなのが、大学と予備校のダブルスクールです。

大学に通いつつ予備校に入り、大学の講義が終わった夕方以降に予備校で授業を受けます。

大学卒業資格を取りながら公認会計士の勉強を深めていけるので、現在高校生で進路を考えている人にとっては有力な方法でしょう。

ダブルスクールで公認会計士の勉強を行った場合、具体的に考えられるメリットとデメリットをまとめました。

ダブルスクールのメリット

  • 大学で簿記の資格が取れる
  • 大学卒業資格が取れる
①大学で簿記の資格が取れる

公認会計士の勉強を始める前に取っておくといいと言われているのが「日商簿記検定」です。

公認会計士の試験にも簿記に関する内容が含まれており、日商簿記検定2級相当の知識がある前提で授業が進む予備校も少なくありません。

とはいえ公認会計士の資格において簿記の範囲は試験全体の約2%程度で、「簿記の勉強に時間を費やすのはもったいない」という意見もあります。

日商簿記検定を取れる大学に進学すれば、単位を取りながら簿記の勉強ができるので効率的。

簿記の勉強は大学で質問できるので、独学より早く理解を深めながら勉強できます。

②大学卒業資格が取れる

公認会計士の勉強はとても大変で、挫折して勉強をやめてしまったり、試験に落ちて一般企業への就職したりする人も多いです。

もしも公認会計士への道を諦めた時、予備校だけに通っていた場合、最終学歴は高卒。

たくさん勉強しても、高卒の待遇だと思い描いていた生活とかけ離れた内容になるでしょう。

もしもの時を考えて大学に進学しておけば、公認会計士を諦めたときも就職先の選択肢が増えるのはメリットです。

ダブルスクールのデメリット

  • 費用が高い
  • 公認会計士試験以外の勉強も必要
①費用が高い

ダブルスクール最大のデメリットは、とにかく費用がかかること。

大学に支払う学費だけでなく、予備校へも学費を支払わなければなりません。

予備校のみで勉強する人と比べると倍以上お金がかかるので、理想ではあっても現実的にどうしても難しい方法です。

②公認会計士以外の勉強も必要

大学に入学した場合、公認会計士試験に直接関係ない講義も多いです。

大学の単位を落とさないために、必要ない分野の勉強も並行して行わなければなりません。

公認会計士になるための勉強だけでは足りないので、結果的に必要な勉強時間が多くなります。

公認会計士のダブルスクールは最もお金がかかる

公認会計士になるためダブルスクールに通った場合、その他の方法と比べて最も費用が高くなります。

ダブルスクールでは具体的にどれくらいお金がかかるかまとめてみました。

公立大学の場合 私立大学の場合
大学の入学費 70万円 90万円
大学の学費(4年) 434万円 645万円
予備校の学費 76万円 76万円
合計 580万円 811万円

※参照:教育費に関する調査結果|日本政策金融公庫
2年スタンダードコース(短答2回対応)|CPA

上記の金額は一例ですが、公立大学の場合は約580万円、私立大学の場合は約811万円の費用が必要です。

さらに進学を機に一人暮らしをする場合、生活費で毎月12万円前後かかります。

4年間の生活費だけで約580万円必要なので、公認会計士に合格するまで1,000万円以上のお金がかかります。

勉強に集中するためアルバイトをほとんどできないと考えると、毎月の収入がほぼ0円の状態で4年間生活しなければなりません。

奨学金や教育ローンだけではまかなえない家庭も多いでしょう。

公認会計士向けの予備校や専門学校で勉強する

ダブルスクールの費用を捻出するのが難しい人は、予備校または専門学校のみに通って勉強する方法がおすすめです。

専門学校は学校教育法が定める一定の条件をクリアした学校を指します。

卒業すると「専門士」の資格が与えられ、学歴も「専門卒」となります。

専門学校に対して予備校は基準をクリアしていないため、得られる資格はありません。

予備校は卒業して資格をもらうのではなく、資格を取得するために必要な勉強をする塾のようなものです。

予備校や専門学校のみに入って公認会計士を目指すメリットとデメリットをまとめました。

予備校・専門学校のメリット

  • 公認会計士の勉強に集中できる
  • 予備校のみなら費用が抑えられる
①公認会計士試験の勉強に集中できる

予備校や専門学校のみに通う場合、公認会計士試験に必要な勉強だけに取り組めます。

大学は関係ない講義も取らなければなりませんが、予備校ならすべての授業が公認会計士試験に必要な知識です。

不要な勉強に時間やリソースを割く必要がないので試験勉強に集中できます。

なるべく早く公認会計士になりたいなら、ダブルスクールをせず予備校に絞った方がいいとアドバイスする公認会計士もいます。

②予備校のみなら費用が抑えられる

大学に通わないなら、その分学費を支払わなくていいので金銭的な負担がとても軽くなります。

予備校の学費のみなら教育ローンだけで十分まかなえるので、お金を借りながら無理なく勉強できるでしょう。

専門学校の場合は予備校より入学金や学費がかかるので、できる限り学費を抑えたいなら予備校にするのが賢明です。

予備校・専門学校のデメリット

  • 大学卒業資格が取れない
  • 自分で勉強スケジュールを組む必要がある
①大学卒業資格が取れない

予備校や専門学校のみに絞る場合、大学卒業資格は得られません。

先程も紹介したように、公認会計士を諦めた時の待遇が下がってしまいます。

特に予備校を選ぶ場合、最終学歴は高卒となるので、「公認会計士になりたい」という強い意志を持って諦めずに取り組むのが重要です。

②自分で勉強スケジュールを組む必要がある

予備校に通う場合、ダブルスクールより時間的に余裕ができやすいです。

自由時間に勉強できるか、遊んでしまうかで試験結果は大きく変わるでしょう。

自由な時間が多い分、自分で勉強するスケジュールを立てて自主的に取り組まなければなりません。

大学である程度拘束される時間がない分、勉強に対するモチベーションが重要なポイントです。

予備校のみで勉強するなら金銭的な負担が軽め

予備校や専門学校のみで勉強する場合、具体的にどれだけお金がかかるのでしょうか?

公認会計士向けの有名な予備校や専門学校の学費をまとめてみました。

予備校、専門学校の学費
学校名 学費
LEC 約23万円
CPA 約60~75万円
TAC 約60~87万円
大原(社会人講座) 約50万円
大原学園(専門学校) 216万円

専門学校に通うと200万円ほどかかりますが、予備校だけなら100万円未満で勉強できます。

大学に通った時と比べて5分の1以下で資格勉強できるので、金銭的な負担がかなり少ないです。

社会人として働きながら予備校に通う

社会人やフリーターでこれから公認会計士を目指す人や、どうしてもお金がない人は働きながら予備校に通えます。

仕事が終わった後や休日に勉強しなければならないので、実質ダブルワークと同じように時間的な負担は大きいでしょう。

勉強する時間を取るのが難しいので、働きながらの試験勉強はあまりおすすめできないとも言われています。

しかし、お金を稼ぎながら予備校に通えば、金銭的な負担を大きく減らせます。

高校を卒業する段階でお金が工面できず、一旦就職して貯金してから公認会計士を目指す人も少なくありません。

金銭面で一度諦めざるを得なくても、公認会計士になりたい気持ちがずっとあるなら、働きながら勉強する方法もあります。